ヤマト視点です。カカシ&ヤマト隊長……ヤマトの受難ですね;ナース服を買いに行かされるヤマト隊長のお話~
■ヤマト隊長のお使い 【愛のバクダン番外編】
「いやぁ、先輩!酷い目にあっちゃいましたね~~」
五代目にボコられて、カカシ先輩が木の葉病院に入院したと聞いて駆け付けたのだが、当のボコられた本人は、「う~~~ん、そうだねぇ~」なんて、どこ吹く風といった態だった。
いつもの飄々とした雰囲気のまま、痛々しい包帯なんぞを巻いてはいるものの、のんびりと愛読書の18禁本なんかを読んでいる。
「ナルト絡むと、ほ~んといつものカカシ先輩じゃなくなっちゃうんですよね……。暗部の頃ならもっとうまく立ち回ったでしょうに……」
あ~あ、やっちゃいましたね~…なんて、気持ちをのせて呟けば、紙面に視線を向けたままのカカシ先輩がこちらをチラリと見遣る。漸く僕の存在が目に入ったという感じだ。
「うるさいね~、お前」
「あ、やっと反応見せてくれましたね。こっちだって、嫌味の一つも言いたくなりますよ……先輩の抜けた穴、僕がしっかり埋める羽目になりましたから」
「あっそ」
間髪いれずに一言だ。悪びれもしない。まるで当り前だろう?という台詞が後ろにくっついているかのようだ。
「おかげでカカシ班もフル稼働ですよ。ナルトもなかなか見舞いに来れないでしょう?必死に任務こなしてますけどねぇ、次から次に任務割り振られてますから……ボク達。―――まるで、半分嫌がらせの様に…ね」
嫌がらせというのは、アレだ。五代目の意趣返しというヤツだ。
カカシ先輩とナルトのラブラブ時間を裂こうとか、ま、そういう陳腐な理由なんだが、これはこれで当然だと僕も思う。
『ナルトを独り占めでゆっくり休養など、誰がさせるものか……』という気持ちになったって、そんなに罪はないはずだ。
現に、サクラに至っては毎日のように呟いているしね。
今日も僕と一緒に、病院に見舞いに来たがるナルトの腕を引っ掴んで、次のツーマンセルの打ち合わせと称し無理矢理甘栗甘に連行だった。
「カカシ先生~~~~!」と叫ぶナルトが少し可愛そうな気はしたけど、正直いい気味だとも思った。俺の目の前でイチャコラされてもね…。不愉快になるだけだし……。何よりナルトが居なくて残念がる【はたけカカシの顔】は、見ものだ。
―――しかし、思ったようにはいかなかった。
ナルトは居ませんよ~。と最初に告げても、「ふ~~ん」と流されるようにして無反応を決め込まれたし、何で連れて来てくんなかったのよっ!なんて怒りすらぶつけてもこなかった。
「ま、任務続きでナルトが怪我したり、無理したりしないよう、ケアの方よろしく頼むね」
「はぁ…」
驚いた。驚いたことに、殊勝な言葉で頼まれてしまった。至極まともな事を……。
しかもナルトを想うカカシ先輩らしい言葉だし、真実味があるじゃないか。
そして、更に、だ。
「こういう時に頼れるのはお前だけだし、ナルトの上司にヤマトが居てくれることは何より安心だよ。本当に良かった」
何を言うかと思えば……!!!
未だかって、こんな言葉、カカシ先輩の口から聞いたことがないよっ。
いつもなら、何でお前が一緒なのよ…とか、ぶつくさ言われたことは多々あるけどね。
鬱陶しそうな目で見られたことも何度かあるけど、こんなこと言われるとは!
本当、暗部からこっち来て、ヤマト隊長になって良かったぁ♪なんて思ってしまう!
「いや、ちょ…先輩そんな……言い過ぎですよ、僕なんて……」
いけないなぁ、思わず顔が真っ赤になってしまうじゃないか。
里を代表する偉大な先輩にこんな評価を貰っちゃうと、やっぱり素直に嬉しいもんだ。
「あ、はは、僕でよろしければ……ほんと、頑張りますから。もう、安心して休養してくださいよぅ」
ヘヘヘっなんて、緩んだだらしない顔をしていたら、今度はよろしくって頭まで下げられて……。
ああ、もう。気持ちイイじゃないかっ!
「そんなヤマトを見込んで、大切な頼みごとがあるんだけど…聞いて貰えないかな…。ヤマトにしか頼めないことなんだ」
この状況で断れるわけがないじゃないか。
先輩しかもすっごく真剣な顔して僕を見てるし。
「いやもう、どうぞどうぞ。何でも言って下さいよ~!僕で出来ることなら何でもしますから」
「本当に?!すごく嬉しいよヤマト君っ!!じゃ、この紙に書いてあるのを買って来て欲しいんだ」
「ああ、差し入れですね!いいですよ。今度の任務の帰りにでも寄って買ってきますから、…で、何ですか?」
「はい、コレッ!」
嬉しそうに手渡された白く小さい紙片に、幾つもの文字。
丁寧にその文字を目で追うと、先ほどまでの表情がまるで引き潮のように消え失せる。
「…………何ですか………コレは………。何の冗談でしょう………?」
「冗談なわけないデショ?!ナルト着用予定のマジモノだよ~。急ぎでよろしくお願いね!あ、短冊街にいい店あるから、店の名前最後に書いてるデショ。カラーはピンクだからね、間違わないように☆いやぁ、君が完璧に任務をこなす男だということはよ~~~く知ってるから、楽しみに待たせて貰うよ~、ほ~~んと、ヨカッタ♪」
「ナース……………服ですか………………」
僕は自分の言葉を呪った。
何でもしますから……なんて、やっぱり……この先輩相手に言っていい言葉ではなかった。
今、気付いても到底遅いのだが、やはり後悔というものは、人間誰にもやってくるもんだ。
「僕…………こういうお店行くの、初めてなんですけどね……………これが差し入れって、なんか変じゃないですかね………」
そう……聞こえるか聞こえないかというような、蚊の鳴くような声で呟いて、白い紙をクシャリと片手で握りつぶした。
すごく嫌そうな顔をして黙っていると、トドメみたいな言葉が返ってくる。
「やー。いい経験になるじゃない」
カカシ先輩……。
煮ても焼いても食えない男だ。
どういうことに使うかは、だ~いたい想像がつく。
いや、そういうことにしか使いようがないものだ。
そんな元気があるんなら、早くその力を任務に使え……と、喉のすぐそこまで出かかったが………
――――勿論、言えるわけがない。
「いやぁ、今更嫌とか、そういうのナシね」
「誰か他の人に……」
「変わって貰おうとか思うなよ」
ドスの効いた声が容赦ない。
しかし、これだけは言っておかないと…!
「こんなの僕が買ったって…差し入れたって解ったら、僕が変な目で見られてしまうんじゃないでしょうか………」
「そのへんは大丈夫。そんな卑怯なことしなーいよ。俺が頼んだって言うに決まってるデショ?!男に二言は無しだ。元暗部に、そんなブチブチいう後輩は居ないはずなんだけどねぇ…」
負けた…。
負けてしまった。
カカシ先輩相手に、勝てるはずがまずない。
非常に不本意ではあるが、最初に何でも……と言ったのが自分の方であるから、分が悪すぎた。
「―――了解しました」
今にも泣きそうな声で、僕はそれだけ答えた。
「……五代目………手ぬるいです…………」
あの人は…。あの人は。
この程度のヤられようでは、全然懲りてはいないのだ。
五代目に近く進言しようと心に誓い、病室を後にしてからボソリと一人ごちた。
ああ……、悔しいけれど、明日の任務予定に、短冊街の立ち寄りを組み込んでおかねばいけないなぁ――――――
こうしてヤマトは、火影にも先輩にもこき使われるのであった。
ちゃんちゃん。
ず~~っと気になっていた、ヤマト隊長がカカシ先生にナース服を買いに行かされる話です。
【愛のバクダン】にて、ヤマトの差し入れがナース服というのは間違いなくあり得ない。こうしてカカシに買いに行かされたんだろうな~とか(笑)
■ヤマト隊長のお使い 【愛のバクダン番外編】
「いやぁ、先輩!酷い目にあっちゃいましたね~~」
五代目にボコられて、カカシ先輩が木の葉病院に入院したと聞いて駆け付けたのだが、当のボコられた本人は、「う~~~ん、そうだねぇ~」なんて、どこ吹く風といった態だった。
いつもの飄々とした雰囲気のまま、痛々しい包帯なんぞを巻いてはいるものの、のんびりと愛読書の18禁本なんかを読んでいる。
「ナルト絡むと、ほ~んといつものカカシ先輩じゃなくなっちゃうんですよね……。暗部の頃ならもっとうまく立ち回ったでしょうに……」
あ~あ、やっちゃいましたね~…なんて、気持ちをのせて呟けば、紙面に視線を向けたままのカカシ先輩がこちらをチラリと見遣る。漸く僕の存在が目に入ったという感じだ。
「うるさいね~、お前」
「あ、やっと反応見せてくれましたね。こっちだって、嫌味の一つも言いたくなりますよ……先輩の抜けた穴、僕がしっかり埋める羽目になりましたから」
「あっそ」
間髪いれずに一言だ。悪びれもしない。まるで当り前だろう?という台詞が後ろにくっついているかのようだ。
「おかげでカカシ班もフル稼働ですよ。ナルトもなかなか見舞いに来れないでしょう?必死に任務こなしてますけどねぇ、次から次に任務割り振られてますから……ボク達。―――まるで、半分嫌がらせの様に…ね」
嫌がらせというのは、アレだ。五代目の意趣返しというヤツだ。
カカシ先輩とナルトのラブラブ時間を裂こうとか、ま、そういう陳腐な理由なんだが、これはこれで当然だと僕も思う。
『ナルトを独り占めでゆっくり休養など、誰がさせるものか……』という気持ちになったって、そんなに罪はないはずだ。
現に、サクラに至っては毎日のように呟いているしね。
今日も僕と一緒に、病院に見舞いに来たがるナルトの腕を引っ掴んで、次のツーマンセルの打ち合わせと称し無理矢理甘栗甘に連行だった。
「カカシ先生~~~~!」と叫ぶナルトが少し可愛そうな気はしたけど、正直いい気味だとも思った。俺の目の前でイチャコラされてもね…。不愉快になるだけだし……。何よりナルトが居なくて残念がる【はたけカカシの顔】は、見ものだ。
―――しかし、思ったようにはいかなかった。
ナルトは居ませんよ~。と最初に告げても、「ふ~~ん」と流されるようにして無反応を決め込まれたし、何で連れて来てくんなかったのよっ!なんて怒りすらぶつけてもこなかった。
「ま、任務続きでナルトが怪我したり、無理したりしないよう、ケアの方よろしく頼むね」
「はぁ…」
驚いた。驚いたことに、殊勝な言葉で頼まれてしまった。至極まともな事を……。
しかもナルトを想うカカシ先輩らしい言葉だし、真実味があるじゃないか。
そして、更に、だ。
「こういう時に頼れるのはお前だけだし、ナルトの上司にヤマトが居てくれることは何より安心だよ。本当に良かった」
何を言うかと思えば……!!!
未だかって、こんな言葉、カカシ先輩の口から聞いたことがないよっ。
いつもなら、何でお前が一緒なのよ…とか、ぶつくさ言われたことは多々あるけどね。
鬱陶しそうな目で見られたことも何度かあるけど、こんなこと言われるとは!
本当、暗部からこっち来て、ヤマト隊長になって良かったぁ♪なんて思ってしまう!
「いや、ちょ…先輩そんな……言い過ぎですよ、僕なんて……」
いけないなぁ、思わず顔が真っ赤になってしまうじゃないか。
里を代表する偉大な先輩にこんな評価を貰っちゃうと、やっぱり素直に嬉しいもんだ。
「あ、はは、僕でよろしければ……ほんと、頑張りますから。もう、安心して休養してくださいよぅ」
ヘヘヘっなんて、緩んだだらしない顔をしていたら、今度はよろしくって頭まで下げられて……。
ああ、もう。気持ちイイじゃないかっ!
「そんなヤマトを見込んで、大切な頼みごとがあるんだけど…聞いて貰えないかな…。ヤマトにしか頼めないことなんだ」
この状況で断れるわけがないじゃないか。
先輩しかもすっごく真剣な顔して僕を見てるし。
「いやもう、どうぞどうぞ。何でも言って下さいよ~!僕で出来ることなら何でもしますから」
「本当に?!すごく嬉しいよヤマト君っ!!じゃ、この紙に書いてあるのを買って来て欲しいんだ」
「ああ、差し入れですね!いいですよ。今度の任務の帰りにでも寄って買ってきますから、…で、何ですか?」
「はい、コレッ!」
嬉しそうに手渡された白く小さい紙片に、幾つもの文字。
丁寧にその文字を目で追うと、先ほどまでの表情がまるで引き潮のように消え失せる。
「…………何ですか………コレは………。何の冗談でしょう………?」
「冗談なわけないデショ?!ナルト着用予定のマジモノだよ~。急ぎでよろしくお願いね!あ、短冊街にいい店あるから、店の名前最後に書いてるデショ。カラーはピンクだからね、間違わないように☆いやぁ、君が完璧に任務をこなす男だということはよ~~~く知ってるから、楽しみに待たせて貰うよ~、ほ~~んと、ヨカッタ♪」
「ナース……………服ですか………………」
僕は自分の言葉を呪った。
何でもしますから……なんて、やっぱり……この先輩相手に言っていい言葉ではなかった。
今、気付いても到底遅いのだが、やはり後悔というものは、人間誰にもやってくるもんだ。
「僕…………こういうお店行くの、初めてなんですけどね……………これが差し入れって、なんか変じゃないですかね………」
そう……聞こえるか聞こえないかというような、蚊の鳴くような声で呟いて、白い紙をクシャリと片手で握りつぶした。
すごく嫌そうな顔をして黙っていると、トドメみたいな言葉が返ってくる。
「やー。いい経験になるじゃない」
カカシ先輩……。
煮ても焼いても食えない男だ。
どういうことに使うかは、だ~いたい想像がつく。
いや、そういうことにしか使いようがないものだ。
そんな元気があるんなら、早くその力を任務に使え……と、喉のすぐそこまで出かかったが………
――――勿論、言えるわけがない。
「いやぁ、今更嫌とか、そういうのナシね」
「誰か他の人に……」
「変わって貰おうとか思うなよ」
ドスの効いた声が容赦ない。
しかし、これだけは言っておかないと…!
「こんなの僕が買ったって…差し入れたって解ったら、僕が変な目で見られてしまうんじゃないでしょうか………」
「そのへんは大丈夫。そんな卑怯なことしなーいよ。俺が頼んだって言うに決まってるデショ?!男に二言は無しだ。元暗部に、そんなブチブチいう後輩は居ないはずなんだけどねぇ…」
負けた…。
負けてしまった。
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「……五代目………手ぬるいです…………」
あの人は…。あの人は。
この程度のヤられようでは、全然懲りてはいないのだ。
五代目に近く進言しようと心に誓い、病室を後にしてからボソリと一人ごちた。
ああ……、悔しいけれど、明日の任務予定に、短冊街の立ち寄りを組み込んでおかねばいけないなぁ――――――
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