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今回は、すっかりカカナル色が薄い気がして……これからは頑張らねば…と思っとります。

















「ソノママデイインデース!ソレガイインデース!」


ピエールの思いがけない制止に、ナルトは印を組んだ手のまま固まった状態になり、カカシも不穏な提案を放ってはおけないとばかりにピエールに食いかかってきた。


「…っちょ、どういうことですか?ナルトに女装をしろと?」

「そうだってば、訳わかんねーってばピエールさん」


ピエールは腕を組み、うんうんと大きく頷きながら二人に説明を始めた。他の三人も周りを取り囲むように、事の成り行きを伺う。


「ミナサンハゴゾンジナイカモシレマセンガ……サイキン、ワタシノクニデハ、オトコノムスメトカイテ、『オトコノコ』コレハヤッテマース☆………カワイイ、キレイナオトコノコガ、カワイクジョソウシマース!ニンキフットウネ!!」


「「「「は~~ぁっ!?男の娘~??」」」」


サイ以外の全員が素っ頓狂な声を上げた。
空気の読めないサイだけが、一言笑顔で言い放つ。


「へ~、面白そうですね。ナルト君ならお似合いですよ」


見事なサイの笑顔がナルトの癇に障ったのか……、ナルトは突然大声を上げて拒み始めた。


「嫌だってばよっ!!!ぜってーヤダッ!!!要は、男が女物の服着る女装じゃねーかっ!!!俺、ぜってーヤダかんなっ!!!カカシ先生も絶対断ってくれってば、これは任務の範疇越えてるってばよっ!!!」



ぎゃんぎゃんと喚き立てるナルトを宥めるようにして、カカシはピエールを奥の方へと連れていった。穏やかに且つ体裁よくお断りを入れるためだ。
流石に、大衆の面前にナルトの女装姿を晒すというのは、カカシにとっても受け入れかねることで…。
自分一人が眺めて悦に浸るならまだしも、ここにはヤマトもサイも居る。ましてや不特定多数の客が訪れる場所だ。


「ピエールさん、ここは変化ということでお願いしたいのですが…、それで十分お役にたてるはずです」

「ノ、ノ、ノー。カカシサーン。ココハユズレナイネ、ナルトクンノビジュアルナラ、ジョソウノホウガインパクトアリマス!」

「っく!(そりゃあ確かにそうだけどね、ナルトなら魅力的だし…)」

冷静に交渉しようとしたカカシだが、ピエールはがんとして首を縦に振らない。
ピエールは口を尖らせ、ノー、ノー、と指を一本立て左右に振る。不愉快なジェスチャーに、いつもカカシの額当て、その下側で隠れている青筋が立ち上がりつつあった。

「カカシサーン、ココハ、ナルトクンニガンバッテモライタイデース!ゴシショクノススメカタシダイデ、キャクタンカアガリマース!!ジュンバンマチシテイルオキャクサマノ、コウバイイヨクタカメマース!!ウリアゲアガル☆ホウシュウモアガル☆」

「いえしかし…、女性に変化しても仕事としては差し支えませんよ。それにナルトの変化はなかなかのものですし…」

「カカシサーン……、キャクソウワカッテマスカ?オキャクサマ、ホトンドオンナノコ、ジョセイデス。ビジョヨリ、キレイナオトコノコ、コレトッテモジュウヨウデスネ!」

「しかし…しかしですよ、ナルトはあんなに嫌がっています。それを無理矢理…」

「ムリヤリデモ、ナットクサセルノガジョウシノツトメデース!ダイタイ、イチニチジュウシゴトノウエ、レンジツデハ、ナルトクンツカレテシマウヨッ!」

「うっ…」

珍しくカカシの言葉が詰まる。
正直、ナルトの矜持よりも自分が嫌だというのが理由の大半だ。
さらに、変化でのナルトの疲労を考えれば、ピエールの提案の方が、断然チャクラ量に関して言えば良い話なのである。

「ソウデスネ~、カカシサ~ン。ワタシ、スッキリオッケーホシイデス。ウラトリヒキ、イカガデスカ~?」

こそこそと内緒話のように、カカシの耳元にピ上―ルは話しかけた。
そしてニヤリと笑うと、隅っこの棚へと手を伸ばし、綺麗なガラスの小箱を取り出す。
小箱は深い瑠璃色をしていた。
カチャリとガラスどうしの触れあう音がして、蓋が開かれると、そこには小さな銀色の包みがあった。

「それは…?!」

カカシはいぶかしげに、その銀紙に包まれた中身の正体を尋ねる。
ピエールは大事そうに包みを摘み出し、カカシの眼の前に掲げる様にして見せた。

「コレハ……ミテノトオリ、ワタシガツクッタチョコレートデス。タダシ……、ソンジョソコラノチョコレートデハ、ナイデース」

「では、?」

「シノビサンナラシッテルネ?コレ―――マボロシノ、ラブチョコレート♪ビヤクチョコデース☆」


驚いたように、カカシは一歩退いた。珍しく、その表情には驚愕が浮かび上がっている。


「ま、まさ……か…、それは、あのっ……!」

「ソウデッス!ニュウシュコンナン、キュウキョク。デンセツノチョコトヨバレタ、アレデスヨ♪コレヲアナタニ、トクベツニサシアゲマース。イマハ、テモチコレダケ。カンタンニツクレナイシロモノデスガ、カナラズフクスウ、オトドケオヤクソクシマ―――ス」

「な、なんですって?!」

「フフフ、イイ、オハナシデショ?」


カカシは複雑な顔をした。
取引はいけない。そうは思っても、ピエールの誘惑は強烈で……
ふらふらと腕が、手が、チョコへと伸びる。
何度も躊躇い、押しとどめてみる努力はするのだが、やはり伸びていく。
それもそのはず。この一粒だけで、争いすら起きると言われた、食べるダイヤモンドとまで評されたチョコだ。
ピエールの作品とは知らなかったが、なかなか世間に出まわらずこの、相当高価な値がつくことは知っていた。
強い媚薬の特性を持ちながら、一切の副作用がなく、里の医薬開発部でもかなりの評価を得ていた代物だ。
カカシの指が、銀色のチョコに触れた。

「オオッ!コレデアナタ…イチュウノヒトトノ、サイコウノイチヤ、ヤクソクサレモドーゼンネ♪」

「こ、これが…」

「ソーンナニ。ワルイコトジャナイデース。タイヘンナオシゴト、イタワルアマイチョコヒトツ、サシイレタダケネー」

「そ……そうですよね…」

「ソウソウ。ミナサンモ、オミセデイクツカ、チョコタベテタネ~。オンナジコトデース」

そう言って、強引にカカシを納得させる。
カカシが背を押されるように自身の荷物へと、そっとチョコを忍ばせるのを確認すると、ピエールはに~~んまり、凶悪な笑顔を見せたのだった。



















最近はやりの「男の娘」ですが…
何で知ったかと申しますと、いが/らしゆ/みこのご子息が有名になられてそこから…。
井上さんのご子息でもあるんですよね。
え?!ちがったっけか?!


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