※励ましのコメントに感謝しております。










―――我ら穴倉の住人と侮るなかれ


      我らが珠、触れし者には報復を―――


―――闇に魅せ、その身獲り込もうぞ


      妖しなる夢に、心捕らえようぞ――――








――――我らは闇の住人(すみびと)―――闇に住まう者


        夢々、ゆめゆめ、侮るなかれ―――
 


                     侮るなかれ―――






























■珠喰らう 闇の住人  [tamakurau yaminosumibito]




















「うお――っす!ばーちゃんっ、今日の任務こそAランクよろしくっ!!」

「ナルトッ!!ばーちゃんではない。火影だ火影っ!」

「そうよっナルト!綱手様とか、火影様とか五代目とか…とにかくその呼び方改めなさいよっ!」

「申し訳ございません五代目……よーく注意しておきますので……」

「え~~~、さくらちゃんもヤマト隊長も今更だってばよ……面倒くせぇってば」

「毎回注意する方も、たいがい面倒臭いと思うけど」

「……げ。サイ……オマエまでんなこと言うなって!」




いつもの喧騒が、火影室に響いていた。
ナルトはここのところ、退屈な任務が続いて多少腐り気味であった。
刺激のある任務を望んではいたが、そう簡単に思うような仕事が振り分けられるわけもなく。
毎日のように単純な任務をこなしてはきたが、ナルトには本日こそはという思いがあったようだ。
皆に火影に対する非礼を窘めながらも、心は上の空。
任務の内容が気になって仕方がなかった。


「なぁ、なぁ、んで、任務の内容は?早く教えてくれってばよ、五代目様のばーちゃん」

「んなっ!おかしな呼び方をしおって……フン。まぁ、いいが。残念ながら今回もBランク任務だよ」

「またぁっ!?CやDじゃないだけマシだけど……そろそろ刺激のある内容頼むってばよ」

「もう、いいじゃないナルト。それだけ里が平和ってことなんだから」

「そうそう、僕も駆り出されることは少ないし、カカシ先輩一人で手が足りてるようですし、ね。五代目」

「本当に、こういう状態を有難いと思わずしてどうする?!ったく、ナルトお前は毎日毎日、ホントに落ち着きが無いね~」

「キミはどんな任務でも、必ず何かヘマはするんだし、それなりにいつもスリリングだと思うよ」

「サイ……………てめぇは、んっとにいっつも一言多いってばよ………」


サイの言葉に、ナルトが苦虫を噛みつぶしたような顔をする。
そんな、カカシの抜けたカカシ班のやり取りを、ようやくシズネが『まぁまぁ』と沈めにかかる。
埒が明かない。そう判断したようだ。
漸く任務の概要が告げられると、ナルトが納得の色を見せ始めた。











ナルトを納得させた今回の任務。
概要はこうだ。


任務はジャングルの中に遺跡が眠る滅の国。その国での大規模遺跡の調査報告。
本来であれば、研究者が調査をするところであるが、何とも厄介なことに、この滅の国には影の集落というものが存在した。
その所在は不明で、遺跡を隠すジャングルの何処かに転々とし存在するらしい。
存在そのものが謎の闇の住人により統べられた滅びの都。
この滅の国には、普通の村落は存在せず、人が足を踏み入れるのに困難なジャングルばかりで、到底、学問ばかりの青瓢箪である研究者や博士の類では長居など出来る代物ではなかった。
しかしながら、滅の国に眠る遺跡はとても貴重なものであったため、定期的に忍び里に調査の依頼が舞い込み、里の態の良い収入源となっていた。
通常であれば探査、調査などの任務はCランクでも片がつく。だが今回は滅の国で探査調査任務ということで一気にBランクに格上げとなったのだ。
以前調査された遺跡箇所を項目ごとに再チェックするだけということもありBというランクではあったが、滅の国で闇の種族との接触可能性を考慮すれば、それはAランクにも匹敵する内容でもあった。






「ま、俺が行くなら闇の住人だろうと影の集落だろうと関係ねーってばよ!俺に任せとけばぁちゃんっ!!」

「っていうかあんたの場合…別の意味で危険なのよ……」

サクラの言い出しに、サイが続く。

「ナルトに遺跡だと、貴重なものを破壊しそうで危険ですよね」

そしてテンゾウは大きく溜息をついた。

「そういう意味でボクにとってはSランク級の任務ですね~……」

「っげ!みんな揃って失礼だってばよっ!!!」




そして最後に、綱手の大きな声が部屋に響くのだった。




「よしっ!とっとと任務終えて無事にかえっといでっ!」







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