「まったく……これではカカシの思う壺だな……」

「え!?綱手様それはいったいどういうことです?」

「はぁ~~。カカシの筋書き通りと言ったところさ……あたしとしたことが、まんまとハマッちまったね~~」

「ふぇ?どういうことなんですか???」

「結局のところ……最後は二人を認める形になっちまったじゃあないか!」

「ああ………なるほど」

「恐らくだが……カカシのヤツ、こうなることまで、想定済みだったと思われる……」

「え~~~!綱手様にあんな目に合わされて、ですか?」

「あいつにとっちゃ、ナルトを失うのが何より恐怖だろうから……火影にボコられるくらい、何て事はないのさ」

「ある意味スゴイですよね……命賭けてるわけですね」

「ましてや、悲しいかな……あたしゃ、ナルトには甘いからね~~~………」

「確かに……綱手様はナルト君に、すっごく甘いと思います…」

「はぁ~~~、読まれてたわけだよ……」

「はぁ~………そういうことですか……」


ブヒ~~~~~~(シズネに抱かれていたトントンが溜息を吐く二人を交互に眺め、一鳴き)


「今頃、木の葉病院の個室で二人っきりかと思うと………この新しく設えた執務机も、叩き壊してやりたくなるねぇ~」

「そ…!それだけは止めて下さいっ!!」


ブヒィ~~~~~~(今度は焦ったシズネの胸で、トントンが綱手に脅えて鳴いた)















【愛のバクダンⅡ】  The love a bomb in Konoha





















「先生ぇ~…大丈夫だってば?」

「ああ、大丈夫だよ~。心配かけてごめ~んねナルト」


ああ、もうそんなに心配そうな顔をして…
かわいいつるんとした眉間に、幾つも皺が寄ってるよ。
心配して当然かぁ、俺本当に酷い状態だったもんなぁ…
今は、木の葉病院のいつものベッドで横になっているけど
先程までは、半壊した火影の執務室で、俺はかなりえげつない状態の大怪我を負っていたんだから…
負わしたのは……他でもない。執務室の主。綱手様だ…。


「でも、良かったってば……顔面のすごい腫れも引いてるし…痣は当分残るだろうけど……」


ナルトが心配気に、口布を外した俺の頬に触れてくる。
痛みが出ないようにと慎重に優しく、その手の感触がとても気持ちよくて…
俺は薄らと目を細めてナルトを見た。


「ん、ナルトのおかげだね………ナルトが必死に綱手様にお願いしてくれたおかげで、すぐに治療して貰えたからね。ナルト

が居なければ、そのまま俺、放置されてたと思うよ」

「お願いっていうか……あれは……」

「フフ。脅しって言った方がいいのかな?」

「うっ…!だって俺、必死で…!」

「だよね。それでも、ナルトに一生口利いて貰えないとなると……そりゃあ、綱手様も焦るよ」


殴られた顔面は頬骨が折れて、顔の形が変形するほど酷い状態だったしね。
ボディブローを食らった腹は、内臓にまで損傷を受けていた。
それをすぐさま、ナルトの懇願で、殴った本人が即治療にあたったわけだが……
流石は火影様だよ、一週間ほどの入院で退院出来そうだからね。
相当必死で治療に当たって貰えたらしい。


「ナルトごめんね……不甲斐ない先生で…」

「何言うってば…!」

「結局サイン貰えなかったでしょ」

「あ……」


結局、こんな怪我まで負っておきながら、綱手様には婚姻届に了承のサインを貰うことが出来なかった。


「燃えちゃったしね~…」

「先生……でも……」

「ん…?」

「約束は取り付けたってば…!ばぁちゃんに、俺……約束させたってばよ!」

「約束…?」

「先生こんな目に合って…割に合わないってば……、だから俺、先生の治療後ばぁちゃんに約束させたんだってば……」

「綱手様にどんな約束をさせたの?」


あのナルト大好きな女傑。鉄の女に……?
ナルトは俺の掛け布団を握り締め、鼻息を荒くしている。
だいたい想像はつくけど、ご丁寧に尋ねることは忘れない。
さぁ、お前の口から言って貰おうか。


「俺……ばぁちゃんにカカシ先生と…そ、の……結婚認めるように、……サインちゃんとくれるように頼んだってば…」

「え?…それで、綱手様は了承したの?」

「うん。すぐにはとても無理だけど……俺が20歳になって、まだカカシ先生のこと好きなら……それで二人の関係が良好なら

、同意してやるって……だから今は待てって言われちまった」

「20歳(ハタチ)……ね」

「ま、まだ先だけど……………せ、先生それまで、俺のこと今みたいに思ってくれる?」

「当り前でしょっ!」


ちょっとこっちへ来なさいよ…と、ナルトを自分の方へと引き寄せ抱きしめる。
首筋に顔を埋める様にして、ナルトの耳朶に唇を寄せ囁く。


「ナルトが離れるって言ったって、離れないよ、俺―――オマエが大好きなんだから……」

「あ…せんせ……」

「ありがとう…ナルト。ナルトの気持ちがとても嬉しい…」


身体に負担がかからないようにと、ナルトは気遣ってか、俺からすぐに身体を離してしまう…ああ、残念。
でもね~…これは結構計算通りにいった方なのかもしれない。
最初っからさ、すぐにサインを貰おうなんて思っちゃいなかった。
だいたい、ナルト自体があまり乗り気ではなかったようだし。
自分から結婚したいとか、ちょっと言い出すようには見えなかったしねぇ。
それが自分自身で綱手様に交渉までするというのは……
すごい進歩だよ。
俺の誠心誠意を見せたことで、ナルトの気持ちが動いたのは言うまでもないが…
綱手様の実力行使がかなり功をそうしたらしい。
ッフ、これで一週間の入院なら、まぁ安いもんだと思えるね。


「先生…でも、俺のせいで一週間も入院なんて……」

「そんなこと、ナルトが気にすることじゃないでしょ?綱手様の怪力を受けて、一週間で退院なんて奇跡だよ」

「そりゃあ、そうだけど……」


あの女傑のことだ。
自分でボロボロにした相手を、即座に全身全霊で治療するなんてプライドが大いに悲鳴を上げたに違いない。
それでも、きっちりやってのけたのは、一重にナルトの願いと脅しがあったからだ。
その時の焦って困った綱手様の顔を俺もしっかり見ておきたかったよ。
あまりの傷の深さに、すぐに意識が朦朧としてしまったからね…。
辛うじてナルトの叫び声だけが、耳に届いていたんだが……


「ねぇ、カカシ先生……俺、本当は先生をずっと看病したいんだ」

「ずっと看病してくれるの?すっごく嬉しいよナルト」

「本当は、ばぁちゃんにカカシ先生が入院している間、任務を休める様にお願いしたんだけど………」

「…………ま、それは無理だった、と」

「……ん。カカシ先生が抜けた穴を埋めるだけでも大変だから、それはどれだけ頼んでも聞けないって……お前もこの里の忍

なら解るだろうって言われたら、頷くしかなかったってば」

「まぁ、それは仕方無い話だよね」

「でもっ!俺空いてる日は必ず見舞いに来るからな!」

「あんまり無理はして欲しくないけど………嬉しい申し出だよ。俺もナルトに一週間も触れられないと気が変になりそうだし



「………で、な。せんせ……」


そういうと、ナルトはもじもじとして言い淀む。
何かとても言い難いそうで、顔も薄らと赤い。
どうしたの?と聞いても、なかなか先に進まないのだが、思い切ったようにナルトが喋り始めた。


「せんせ……今回あんまりだし……俺、先生を慰めたいってば………」

「え?慰める?」

「ん……。今は、先生の身体無理だけど………退院の二日前くらいなら…………俺、時間作って………夜、来るってば……」

「へ…?それって、どういう………」

「全部言わないでも……わかんだろ?」


そこまで言うとナルトの顔が真っ赤になった。
ああ…流石、意外性№1の忍だよ…。
入院中の俺を身体で慰めてくれるらしい。
この病院内で…この真っ白いベッドの上で。
この申し出、シュチュエーションを断るヤツは、ただのバカか、機能しない不能に違いない。
俺は二つ返事でオッケーしたよ。
当り前のことだよね。
こんなプラスアルファのラッキーまで飛び込んでくるとは……!
ほ~~んと、綱手様には申し訳ないね~~~~











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by千之介



おまけのおまけのはずが……
何と!続く予定です(^^;)
しかもエロへ……!!


カカシ先生は、実は確信犯でボコられたという話ですね~~。
ナルトがどう出るか…なんて、先生にとってはお見通しという感じが、自分には萌えです。




拙い文ではございますが、楽しんで頂けたなら幸いです。
ご感想・励まし等頂けますと、管理人は飛び上るほど喜びます!




















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