・・・ナルトとカカシのケーキ作り。甘~~い。
□メレンゲ
今日さ、サクラちゃんってば…サスケにケーキ作ってきたってば…。
え~と、何ていうケーキだっけ…確か…
シ、シ…そうそう、シフォンケーキ!
俺もおすそ分けで貰ったけど、フワフワしててとっても美味しかったってば…!
あんなの作れるサクラちゃんってやっぱすごいと思う。
サスケとカカシせんせーは全然食べなかったけど、俺ってばこのケーキ作ってみたいってばよ!
任務終了時、ちょっと、と手招きしてサクラちゃんを呼び出して。
「あのケーキ美味しかったってば、作り方教えて欲しい!」
「え~~~っ!美味しいって言ってくれるのは嬉しいけどさ…」
サクラちゃんごもごもと口ごもるとサスケに聞こえないようにと辺りを見回して、俺の耳元で小さく言ったってば。
「あれね…、絶対内緒にしてよね!実は………私一人で作ったんじゃないのよ、ママに大方手伝って貰ったの。すごく難しくって…だから、教えて上げたくても教えて上げられないのよ。もちろんサスケ君には黙っててよ!」
女心って大変だってば。俺つくづくそう思ったってば。
見栄っていうものらしい…、サスケにはあくまでも自分で作ったという事で通したいんだってさ。
真実を知った後、怖い程の勢いで念を押された。
「じゃあ、仕方ないってばよ…」
少し残念そうな顔をして、俺がとぼとぼと帰路に着こうとした時。
カカシせんせー、どこで話を聞いていたんだか…
急に一緒に帰るって言って、いきなりケーキの話をしてきたってば。
「ナールト!これからせんせーんち寄ってく?せんせーがケーキの作り方教えてあげるよ」
ニッコリ笑って、せんせーっぽく指立てて…
教えてあげるって言うけど、忍術とはえらくかけ離れたケーキ作り…。
俺ってば、思いっきり胡散臭そうな顔をしてせんせーを見ちゃったってば。
「ケーキって…せんせー本当に作れるってば!?さっきちっとも食べてなかったってばよ…」
「酷いねぇ、お前。さっきサクラに頼んでたじゃない。聞こえたから、せんせー教えてあげようって思ったのにサ…」
わざとらしいほど傷ついた顔して見せて、せんせーってば何か変。
でも…もう一度あのケーキを食べてみたいのは確かで、作ってみたい好奇心はホンモノで。
「本当に教えてくれるってば?」
「当たり前デショ?!ナルトが知りたいなら、せんせー教えて上げるのがお仕事です。」
嘘っぽい…。カカシせんせーが、やたらせんせーぶる時は要注意なんだってば。
「でも…これから作るって、もう夕食の時間なのに?」
「…んー、じゃ、明日任務無い日だし…明日うちに作りに来る?せんせー用意して待ってるよ、せんせーのケーキ個人授業。ナルトだけ御招待!」
俺ってば考えた、妙にハイテンションなせんせーってば、とっても変だけど。
俺の為にケーキ教えてくえっるっていうせんせー、とっても嬉しいってば。
明日の休みは何も予定無いし、お菓子教室みたいで、なんかドキドキするってば…!
「うん!せんせー行くってば!!せんせーと一緒にケーキ焼きたいってばよ!」
「うーん、ごーかっく!」
元気よく頷いたら、せんせーものすごく嬉しそうな顔をして俺の頭をポンポンと叩いてきた。
明日がとっても楽しみだってば…!
side カカシ
フッフッフ…どうやらナルトがケーキを作りたがっている。
これはせんせーの出番だね。
楽しみだね、ナルトとのケーキ作り。
もちろんろくにケーキなんぞ作った事ないけど、ナルトの為なら今から材料や道具を調達せねば!
料理本見て今夜は大研究サ。
可愛いあの子の為なら何だって出来るさ、アスマあたりに爆笑されたところで痛くも痒くもないね!
喜んでフリフリエプロンだって着てみせるし、紅あたりに借りに行ったっていい!(ま、あいつは料理なんぞするタイプじゃないし、フリルのエプロンだって好みじゃないだろうが・・・)
さて、量りにケーキ型に大きめのボール、泡立て機。
用意するものは沢山あるな、今夜の内に準備しとこうっと。
明日はナルトと楽しいケーキ作り。ナルトのエプロン姿も見てみたい…
ああ、買い物リスト作らなきゃ…。
「はーい、ナルトよく来たね!」
ピンポーンと呼び出すチャイムすら待ちきれず、ナルトの気配が感じられると同時に、俺は玄関先で待機状態。
片手には昨夜買い求めたピンクのフリフリエプロン携えて、もう姿想像するだけで待ちきれませんという感じのお預け犬!
早くこれを着せてやりたい、絶対に金髪・碧眼に映えて可愛いはずだから!
扉を開ければ、びっくりした顔で見上げるナルトに思わず頬も緩みっぱなし。
「ゥ・・・わ。せんせー普通の服着てるってば、それに……顔…」
「ん?!あー口布も額宛も無いからね、びっくりした?さーさー、そんな事はいいから入って入って」
中へ促せば、お邪魔します。と可愛く頭を下げて部屋に入ってくるナルト。
も、せんせー…火影様の水晶玉なんてムシして、このままナルトを閉じ込めてやろうかって危険な事まで思っちゃったよ。
テーブル一面に広げられたケーキ作りの道具や材料に、ナルトは初めて来る部屋の緊張すら忘れてはしゃぎ気味。
ホント、素直で分かりやすくて可愛いね。
「せんせー、すごいってば!これを使ってケーキ作るんだってば!…って、何そのピンクのヤツ」
キョロキョロするナルトの目の前にズイとエプロンを差し出せば、まさか自分が着けると思っていないのだろう。不思議そうな顔をしてみせるナルト。
「これはね、エプロンだよ。汚れない為に着けなくちゃ、せんせーわざわざ用意しておいたんだから」
着けてね。と差し出して、両手で持って広げてみせる。ピンクのぴらぴらにナルトの目が白黒するのが可愛らしい。
「こ…これ、着けるってば…。ありがとうだけど…ちょっと恥ずかしい気もするってばよ」
たじたじとしているが、それでもわざわざ買ったと伝えれば、喜びに頬を紅潮させてナルトは大人しくエプロンを着けてくれた。
後ろのリボンは結び難いようなので、そっと手助けしてやる。ほい、出来上がり。
テヘへ…と照れながらも前を向いて、これでいい?と首を傾げて…。
本当に思ったとおりになってくれるナルトが愛しい。それに、想像以上にエプロンが激似合い過ぎで…ウッ、鼻が危険。
「どうしたってば?せんせー鼻なんて押さえて。口布無いから落ち着かないってば?」
「だ…大丈夫、ちょっと予想を上回ってて……」
フラフラする身をテーブルに寄せ、ナルトに視線をチラと遣ればやはり心配そうな顔が目に入る。
「大丈夫だよ…心配しないの、ちょっと素顔を見られて、せんせー恥ずかしくなっただけだから」
もちろん嘘っぱち。それでもこのコは疑いなく信じるだろうという確信犯。
せんせー、ナルトの可愛いエプロン姿に激しく欲情したなんて死んでも、口が裂けても言えません。
「隠さなくていいってば!せんせーすごく男前だってば…俺びっくりした。すっごく綺麗でドキドキしたってば!」
なーんて事言うんでしょう、可愛い顔してこのコは…。
俺の理性を吹き飛ばすだけの威力ある、大型台風持ってるね。
ナルトを見下ろしながら、しみじみ思ってしまった。この先が思いやられるよ…。
「あ、ありがとね。じゃ、はじめようか…」
「よっし、作るってばよ!」
ズキューンって打ち抜かれ捲くったハートを庇う様にして、早速ケーキ作りに取りかかる。
このまま何も始めなきゃ、思わず押し倒す事なんか考えて、実行してしまいそうで…
半ば逃げるように授業開始。
「粉は量れたかな?じゃ、次は卵白は卵黄と別々に分ける。そうそう…、その透明な白い卵白がメレンゲになるんだよ~あとで一杯泡立てるんだ、それが一番大変。」
「ん、分かったってばよ」
説明に一生懸命耳をそばだてて、粉に塗れながらナルトは奮闘している。
そんな様子を見ていると、さっきまでの俺の邪まチャクラも少しは治まってきたようだ。
微笑ましい仕草で必死。本当に、こんな事まで君は一生懸命なんだね。
見ているだけで、心が洗われて…日々の疲れが取れていくのを感じるよ。
「卵分けた?ナルト、メレンゲ作ってみな。その大きめのボールに卵白を移して、本当はレモン汁入れるけど、今日は無いから塩一つまみで代用して…泡立てながらその砂糖を二・三回に分けて入れる」
「え~~!お菓子なのに塩入れるってば?」
「そうだよ、メレンゲの場合は泡立てを助ける為に入れるんだけどね」
昨夜読んだ料理本大活躍で先生風を吹かせ捲くる。
そんな事知らないナルトの目は”すごいやー!”と尊敬の眼差しに変わり、キラキラ輝いて俺を熱いほどの視線で見つめてきて…俺はついつい錯覚してしまいそう。
ああ、本当に下忍の担当やって良かったって心から思うよ。
火影様万歳!貴方は正しいです。
それにケーキ作りまで出来ちゃう上忍の器用な才能に乾杯!
「シフォンはこの泡が命だから、ほら、これで頑張って泡立ててみな」
手渡された道具を受け取って、ナルトはボールを抱きしめた。
やる気は満々なようで、カチャカチャと音を立てながら、泡立て機を使って卵白をかき混ぜだす。
これが結構大変な作業で、なかなか角立ちまでには時間がかかる。
もちろん上忍の俺がやったらあっという間なんだけど…
ナルトは本当に必死に遣っているが、まだまだだ。
「ほら、ナルト…これも修行の一環だよ。もっと素早く泡立てないと…そんなのじゃダメ、角が立つまでだからね」
「え~~~!これでもまだだってば!」
すっかり手がだるくなったのか、まだだ。と首を振れば眉を顰めてガックシと項垂れる。
そんな様子も可愛くて、思わず目を細めて眺めれば…今度はくそー!と意気込んでがむしゃらにかき回し始め…。
あっ!そんなに乱暴にしたら…!
「ナ、ナルト…ッ!」
ガッチャン!
「―――うっわ!」
勢い余った手が逸れて、泡立て機がボールから外れれば…ビッ、ピッ…!と白いメレンゲが辺りに跳ね飛んで…
メレンゲがテーブルや床、あちこちに飛び散った。
――――あーあ、言わんこっちゃない……。
「テヘへ、…飛んじゃった……ごめん。せんせー、怒んないで……」
首を竦めてこちらを見上げるナルトの鼻に大きなメレンゲの泡がぽっこりと乗っかって…。
お前ねぇ…、と言いかけながら、そのあまりの可愛らしさに怒るどころでは無くなる。
うっわー…、堪らない…。
今すぐその顔にキスしたい。
ナルトが鼻の上のメレンゲに気付いたのか、その塊を取ろうと手を伸ばすので慌てた。
「…っと、ちょっと待て!」
その手を自身の手で押さえ掴んで、泡立て機の入ったままのボールを取り上げるとテーブルに置いて。
もう一方の手も、俺の手で拘束して…
不思議そうに目を瞬かせて見上げるナルトに、覆いかぶさるように顔を寄せ。
そっと舌先伸ばしてナルトの鼻先に乗っかった、メレンゲの泡を一舐め。
泡をペロリと舐め取り飲み込んだ後、またその小さな鼻の頭を拭うように一舐め、二舐めし…
「せんせー、何するってば…くすぐったいってばよ…」
「…んー、黙ってなさい」
ごめんねナルト。せんせー、もう我慢の限界。
可愛い鼻先の次は、その下で息づくさくらんぼが欲しいんだ。
せんせーね、ケーキより断然ナルトが食べたいんだよ。
分かってくれとは言わないけど、今日は許してね。
これが終ったらケーキ作り再開するから…
「ナルト…」
「んっ…」
一言呟いて、驚くナルトの唇に己の唇をそっと重ねて…
ああ、閉じた唇。
君は知らない…まだ知らない。
何もしらない君は、唇を開けてその口内に俺を迎え入れはしない。
そんな唇の端から端を軽く擽るように舌先で舐め上げて。
ちゅっと何度か優しく吸えば…
驚いて閉じちゃった瞳、君はゆっくり開いて…
「ごちそうさま…ナルト」
まだしないよ…まだ出来ない。
今は堪えるよ、そのピンクの舌も
白い項も…
その乙女の細腕のような甘やかな四肢も…
軽いキス、バードキス。
驚き見上げる君に、にっこりと微笑んで一言。
「メレンゲね、唇にも付いてたよ…」
by 千之介
甘いですね~。恥ずかしいですね~。
一部のカカナルの甘さは好きです。
カカシ先生が、ナルトをベタベタ可愛がってくれると、嬉しくなります。
光源氏計画ですね!!
拙い文ではございますが、楽しんで頂けたなら幸いです。
ご感想・励まし等頂けますと、管理人は飛び上るほど喜びます!
□メレンゲ
今日さ、サクラちゃんってば…サスケにケーキ作ってきたってば…。
え~と、何ていうケーキだっけ…確か…
シ、シ…そうそう、シフォンケーキ!
俺もおすそ分けで貰ったけど、フワフワしててとっても美味しかったってば…!
あんなの作れるサクラちゃんってやっぱすごいと思う。
サスケとカカシせんせーは全然食べなかったけど、俺ってばこのケーキ作ってみたいってばよ!
任務終了時、ちょっと、と手招きしてサクラちゃんを呼び出して。
「あのケーキ美味しかったってば、作り方教えて欲しい!」
「え~~~っ!美味しいって言ってくれるのは嬉しいけどさ…」
サクラちゃんごもごもと口ごもるとサスケに聞こえないようにと辺りを見回して、俺の耳元で小さく言ったってば。
「あれね…、絶対内緒にしてよね!実は………私一人で作ったんじゃないのよ、ママに大方手伝って貰ったの。すごく難しくって…だから、教えて上げたくても教えて上げられないのよ。もちろんサスケ君には黙っててよ!」
女心って大変だってば。俺つくづくそう思ったってば。
見栄っていうものらしい…、サスケにはあくまでも自分で作ったという事で通したいんだってさ。
真実を知った後、怖い程の勢いで念を押された。
「じゃあ、仕方ないってばよ…」
少し残念そうな顔をして、俺がとぼとぼと帰路に着こうとした時。
カカシせんせー、どこで話を聞いていたんだか…
急に一緒に帰るって言って、いきなりケーキの話をしてきたってば。
「ナールト!これからせんせーんち寄ってく?せんせーがケーキの作り方教えてあげるよ」
ニッコリ笑って、せんせーっぽく指立てて…
教えてあげるって言うけど、忍術とはえらくかけ離れたケーキ作り…。
俺ってば、思いっきり胡散臭そうな顔をしてせんせーを見ちゃったってば。
「ケーキって…せんせー本当に作れるってば!?さっきちっとも食べてなかったってばよ…」
「酷いねぇ、お前。さっきサクラに頼んでたじゃない。聞こえたから、せんせー教えてあげようって思ったのにサ…」
わざとらしいほど傷ついた顔して見せて、せんせーってば何か変。
でも…もう一度あのケーキを食べてみたいのは確かで、作ってみたい好奇心はホンモノで。
「本当に教えてくれるってば?」
「当たり前デショ?!ナルトが知りたいなら、せんせー教えて上げるのがお仕事です。」
嘘っぽい…。カカシせんせーが、やたらせんせーぶる時は要注意なんだってば。
「でも…これから作るって、もう夕食の時間なのに?」
「…んー、じゃ、明日任務無い日だし…明日うちに作りに来る?せんせー用意して待ってるよ、せんせーのケーキ個人授業。ナルトだけ御招待!」
俺ってば考えた、妙にハイテンションなせんせーってば、とっても変だけど。
俺の為にケーキ教えてくえっるっていうせんせー、とっても嬉しいってば。
明日の休みは何も予定無いし、お菓子教室みたいで、なんかドキドキするってば…!
「うん!せんせー行くってば!!せんせーと一緒にケーキ焼きたいってばよ!」
「うーん、ごーかっく!」
元気よく頷いたら、せんせーものすごく嬉しそうな顔をして俺の頭をポンポンと叩いてきた。
明日がとっても楽しみだってば…!
side カカシ
フッフッフ…どうやらナルトがケーキを作りたがっている。
これはせんせーの出番だね。
楽しみだね、ナルトとのケーキ作り。
もちろんろくにケーキなんぞ作った事ないけど、ナルトの為なら今から材料や道具を調達せねば!
料理本見て今夜は大研究サ。
可愛いあの子の為なら何だって出来るさ、アスマあたりに爆笑されたところで痛くも痒くもないね!
喜んでフリフリエプロンだって着てみせるし、紅あたりに借りに行ったっていい!(ま、あいつは料理なんぞするタイプじゃないし、フリルのエプロンだって好みじゃないだろうが・・・)
さて、量りにケーキ型に大きめのボール、泡立て機。
用意するものは沢山あるな、今夜の内に準備しとこうっと。
明日はナルトと楽しいケーキ作り。ナルトのエプロン姿も見てみたい…
ああ、買い物リスト作らなきゃ…。
「はーい、ナルトよく来たね!」
ピンポーンと呼び出すチャイムすら待ちきれず、ナルトの気配が感じられると同時に、俺は玄関先で待機状態。
片手には昨夜買い求めたピンクのフリフリエプロン携えて、もう姿想像するだけで待ちきれませんという感じのお預け犬!
早くこれを着せてやりたい、絶対に金髪・碧眼に映えて可愛いはずだから!
扉を開ければ、びっくりした顔で見上げるナルトに思わず頬も緩みっぱなし。
「ゥ・・・わ。せんせー普通の服着てるってば、それに……顔…」
「ん?!あー口布も額宛も無いからね、びっくりした?さーさー、そんな事はいいから入って入って」
中へ促せば、お邪魔します。と可愛く頭を下げて部屋に入ってくるナルト。
も、せんせー…火影様の水晶玉なんてムシして、このままナルトを閉じ込めてやろうかって危険な事まで思っちゃったよ。
テーブル一面に広げられたケーキ作りの道具や材料に、ナルトは初めて来る部屋の緊張すら忘れてはしゃぎ気味。
ホント、素直で分かりやすくて可愛いね。
「せんせー、すごいってば!これを使ってケーキ作るんだってば!…って、何そのピンクのヤツ」
キョロキョロするナルトの目の前にズイとエプロンを差し出せば、まさか自分が着けると思っていないのだろう。不思議そうな顔をしてみせるナルト。
「これはね、エプロンだよ。汚れない為に着けなくちゃ、せんせーわざわざ用意しておいたんだから」
着けてね。と差し出して、両手で持って広げてみせる。ピンクのぴらぴらにナルトの目が白黒するのが可愛らしい。
「こ…これ、着けるってば…。ありがとうだけど…ちょっと恥ずかしい気もするってばよ」
たじたじとしているが、それでもわざわざ買ったと伝えれば、喜びに頬を紅潮させてナルトは大人しくエプロンを着けてくれた。
後ろのリボンは結び難いようなので、そっと手助けしてやる。ほい、出来上がり。
テヘへ…と照れながらも前を向いて、これでいい?と首を傾げて…。
本当に思ったとおりになってくれるナルトが愛しい。それに、想像以上にエプロンが激似合い過ぎで…ウッ、鼻が危険。
「どうしたってば?せんせー鼻なんて押さえて。口布無いから落ち着かないってば?」
「だ…大丈夫、ちょっと予想を上回ってて……」
フラフラする身をテーブルに寄せ、ナルトに視線をチラと遣ればやはり心配そうな顔が目に入る。
「大丈夫だよ…心配しないの、ちょっと素顔を見られて、せんせー恥ずかしくなっただけだから」
もちろん嘘っぱち。それでもこのコは疑いなく信じるだろうという確信犯。
せんせー、ナルトの可愛いエプロン姿に激しく欲情したなんて死んでも、口が裂けても言えません。
「隠さなくていいってば!せんせーすごく男前だってば…俺びっくりした。すっごく綺麗でドキドキしたってば!」
なーんて事言うんでしょう、可愛い顔してこのコは…。
俺の理性を吹き飛ばすだけの威力ある、大型台風持ってるね。
ナルトを見下ろしながら、しみじみ思ってしまった。この先が思いやられるよ…。
「あ、ありがとね。じゃ、はじめようか…」
「よっし、作るってばよ!」
ズキューンって打ち抜かれ捲くったハートを庇う様にして、早速ケーキ作りに取りかかる。
このまま何も始めなきゃ、思わず押し倒す事なんか考えて、実行してしまいそうで…
半ば逃げるように授業開始。
「粉は量れたかな?じゃ、次は卵白は卵黄と別々に分ける。そうそう…、その透明な白い卵白がメレンゲになるんだよ~あとで一杯泡立てるんだ、それが一番大変。」
「ん、分かったってばよ」
説明に一生懸命耳をそばだてて、粉に塗れながらナルトは奮闘している。
そんな様子を見ていると、さっきまでの俺の邪まチャクラも少しは治まってきたようだ。
微笑ましい仕草で必死。本当に、こんな事まで君は一生懸命なんだね。
見ているだけで、心が洗われて…日々の疲れが取れていくのを感じるよ。
「卵分けた?ナルト、メレンゲ作ってみな。その大きめのボールに卵白を移して、本当はレモン汁入れるけど、今日は無いから塩一つまみで代用して…泡立てながらその砂糖を二・三回に分けて入れる」
「え~~!お菓子なのに塩入れるってば?」
「そうだよ、メレンゲの場合は泡立てを助ける為に入れるんだけどね」
昨夜読んだ料理本大活躍で先生風を吹かせ捲くる。
そんな事知らないナルトの目は”すごいやー!”と尊敬の眼差しに変わり、キラキラ輝いて俺を熱いほどの視線で見つめてきて…俺はついつい錯覚してしまいそう。
ああ、本当に下忍の担当やって良かったって心から思うよ。
火影様万歳!貴方は正しいです。
それにケーキ作りまで出来ちゃう上忍の器用な才能に乾杯!
「シフォンはこの泡が命だから、ほら、これで頑張って泡立ててみな」
手渡された道具を受け取って、ナルトはボールを抱きしめた。
やる気は満々なようで、カチャカチャと音を立てながら、泡立て機を使って卵白をかき混ぜだす。
これが結構大変な作業で、なかなか角立ちまでには時間がかかる。
もちろん上忍の俺がやったらあっという間なんだけど…
ナルトは本当に必死に遣っているが、まだまだだ。
「ほら、ナルト…これも修行の一環だよ。もっと素早く泡立てないと…そんなのじゃダメ、角が立つまでだからね」
「え~~~!これでもまだだってば!」
すっかり手がだるくなったのか、まだだ。と首を振れば眉を顰めてガックシと項垂れる。
そんな様子も可愛くて、思わず目を細めて眺めれば…今度はくそー!と意気込んでがむしゃらにかき回し始め…。
あっ!そんなに乱暴にしたら…!
「ナ、ナルト…ッ!」
ガッチャン!
「―――うっわ!」
勢い余った手が逸れて、泡立て機がボールから外れれば…ビッ、ピッ…!と白いメレンゲが辺りに跳ね飛んで…
メレンゲがテーブルや床、あちこちに飛び散った。
――――あーあ、言わんこっちゃない……。
「テヘへ、…飛んじゃった……ごめん。せんせー、怒んないで……」
首を竦めてこちらを見上げるナルトの鼻に大きなメレンゲの泡がぽっこりと乗っかって…。
お前ねぇ…、と言いかけながら、そのあまりの可愛らしさに怒るどころでは無くなる。
うっわー…、堪らない…。
今すぐその顔にキスしたい。
ナルトが鼻の上のメレンゲに気付いたのか、その塊を取ろうと手を伸ばすので慌てた。
「…っと、ちょっと待て!」
その手を自身の手で押さえ掴んで、泡立て機の入ったままのボールを取り上げるとテーブルに置いて。
もう一方の手も、俺の手で拘束して…
不思議そうに目を瞬かせて見上げるナルトに、覆いかぶさるように顔を寄せ。
そっと舌先伸ばしてナルトの鼻先に乗っかった、メレンゲの泡を一舐め。
泡をペロリと舐め取り飲み込んだ後、またその小さな鼻の頭を拭うように一舐め、二舐めし…
「せんせー、何するってば…くすぐったいってばよ…」
「…んー、黙ってなさい」
ごめんねナルト。せんせー、もう我慢の限界。
可愛い鼻先の次は、その下で息づくさくらんぼが欲しいんだ。
せんせーね、ケーキより断然ナルトが食べたいんだよ。
分かってくれとは言わないけど、今日は許してね。
これが終ったらケーキ作り再開するから…
「ナルト…」
「んっ…」
一言呟いて、驚くナルトの唇に己の唇をそっと重ねて…
ああ、閉じた唇。
君は知らない…まだ知らない。
何もしらない君は、唇を開けてその口内に俺を迎え入れはしない。
そんな唇の端から端を軽く擽るように舌先で舐め上げて。
ちゅっと何度か優しく吸えば…
驚いて閉じちゃった瞳、君はゆっくり開いて…
「ごちそうさま…ナルト」
まだしないよ…まだ出来ない。
今は堪えるよ、そのピンクの舌も
白い項も…
その乙女の細腕のような甘やかな四肢も…
軽いキス、バードキス。
驚き見上げる君に、にっこりと微笑んで一言。
「メレンゲね、唇にも付いてたよ…」
by 千之介
甘いですね~。恥ずかしいですね~。
一部のカカナルの甘さは好きです。
カカシ先生が、ナルトをベタベタ可愛がってくれると、嬉しくなります。
光源氏計画ですね!!
拙い文ではございますが、楽しんで頂けたなら幸いです。
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ぽちり☆
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