【別館】　　　　amberstation～琥珀駅～　
naruto fan room　二次創作サイト　カカナル傾向

サクラvsカカシ……。サクラ視点継続中……















「よーう、サクラ！頑張ってるね～」

「あっ！カカシ先生～すいませーん！今手が離せないんで、入ってきて貰えませんか～」



来た。キタキタキタ来たわよ～
カカシ先生が何も知らないで！
入口からひょいと中を覗いて手を振っているから、こっちに来るように誘導しないと、ね



「ん～～？」

「呼んだのがこちらなのに、ごめんなさーい！この作業台から離れたくなくて～」



火を使って作業しているのが一目で分かる様にしておいたから、カカシ先生もふらふらとこっちに近づいてくる
そうそう、近くまで来てくださいよー
もっと近くまで～



「ナルトに渡したい物なんだろ？新しい兵糧丸とか聞いたけど」

「そうなんです。これなんですけど、修行の時に使って貰いたくて、何しろ前回のがすっごく評判悪かったから色々改良重ねたんですよ～」

「ああ、あれね。ナルト嫌がってたからね～。効果は抜群なのに」

「失礼な話ですよね～、私が折角作ったモノにケチつけるんだもの」

「それで改良品とは、サクラも優しいとこあるじゃない」

「でっしょー！我ながらナルトには甘いと思いますよ…」



近づいてきた先生に透明の瓶をひらりと振って見せる
中身も無色の液体にカカシ先生が、あれ？という顔をするのを見逃さない



「あれ？サクラ兵糧丸じゃないの？」

「ナルトスペシャル液状ですよ～、飲みやすいように改良したんです。液体ですけど、疲労回復には効果抜群なんですから、しかも飲みやすさまで完璧！味は保証します」

「そりゃあ、ナルトも喜ぶよ」

「今日も修行ですよね、ヤマト隊長も参加だと聞いてますから、本日もへばる内容でしょうし、どうぞ。持って行って下さい。私は新薬開発中で忙しくて渡せそうにないし…」

「ん、サクラもいっぱしの医療忍者になったよなぁ」



カカシ先生に片手で持てる大きさの瓶を、いかにも普通のしぐさで手渡す
右手は作業で使っているから、横着にも反対の左手で
受け取る為に伸ばされたカカシ先生の手に、瓶を渡すか、渡さないかという時点で、手元のビーカーにわざと目を向ける
自然と目を合わさない状態を作り、確実でない段階で瓶から手を離してしまうと…
うまい具合に瓶はカカシ先生の手指をすり抜け、床にぶつかるべく落下して……


「「あっ！」」



―――しめた！うまくいった


が、そんなに単純に事が進めば何も悩む事などないわけで…
カカシ先生はそつの無い動きで、見事に瓶を床直前で空中キャッチ
そりゃあそうよね～
上忍だもの…ほ～～んと、腐っても上忍だものね


私も慌てて落下した瓶を拾おうと、身体を反転し、腕を大きく伸ばしてみせる





ガッシャーン！！！





作業台に並べていた試験管達が、私の右肘にぶつかってものの見事に全て落下して、派手な音を立てた
無事瓶をキャッチした先生も『うおっ！』って面喰らっているわ
床に液体もガラスも飛び散ってしまって、こっちも即効悲鳴！



「キャーッ！やっちゃった！！もう～～～～～」

「あ～あ、サクラも結構そそっかしいね」

「はぁ～～、慌ててしまって………うわ、粉々だわ。最悪ぅ～～～」

「ああ、危ないよ…ところで、大丈夫なの？この薬品」

「それは全然大丈夫です。私が焦ったのはガラスが割れて、掃除が面倒で～～～。あ～、ただでさえ時間無いのに…」

「ん～、じゃあ、俺も掃除手伝うよ」

「え！？先生助かります！！瓶は無事ですよね。それだけでも無事で良かったわ～。折角ナルトの為に作ったんだもの～。雑巾や塵取り取ってくるんで、ガラス拾ってて下さーい」

「はいはい。わかりましたよ～」

「あ、破片で手を切らないように気をつけて下さいねー」

「そんなヘマしなーいよ」


先生は、粉々に砕けたガラスの破片を、丁寧に一つずつ拾ってくれている
勿論そこら一帯は、零れた液体で水浸し
先生全然気付いてないわよね～




『そんなヘマしなーいよ』…か
既にヘマを一発やらかしてるのにね




作戦成功！
もう十分気化吸引完了よ☆












瓶はフェイクだったの
実は…瓶の中身は本当にナルト用の物で
試験管の中身にこそ、例の薬を仕込んでおいたわけ
中に薄いオブラートのような膜で仕切りを作り
私がぶつかって落とした衝撃で、完全に薬品が混ざり合い気化したわ
あの咄嗟の状態では、流石の先生も気付くのは無理
薬効が現れるのも暫く時を要するし
先生は当分気付かないわね～



フッフフフフフ―――
ナルト、ミッション成功よ！
後で先生がどんな顔するか、修行現場を覗きに行こうっと♪








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by千之介



実は、一番怒らせると恐いのはサクラだったりするのではないか…と。
先日の疾風伝オリスト「ナルト・ブレイク」でも、しょっぱなからサクラのすごいパンチが炸裂したし……。



拙い文ではございますが、楽しんで頂けたなら幸いです。
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