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続き追加しました。

















「ああ~~、良かった~~!任務の変更無くって!」


「本当だってばよ~、今年は和国でのバレンタイン任務なんてビックリだってば!!」


サクラとナルトが嬉しそうに話す中、カカシが視線だけで無駄口はよしなさいよ、とプレッシャーをかける。
しかしナルトはどこ吹く風。
上機嫌で尚も続けた。


「でもさぁ、和国って確か和菓子が盛んな国だろ?そんなとこでバレンタインのチョコとか人気あんの?しかもこんな人数で出向くほどの任務ってさ…」


ナルトの疑問に、サクラまで…それもそうねぇ…と不思議そうな顔になる。
まだまだ二人の会話が続きそうなので、堪らずヤマトが説明を始めた。


「和国は確かに和菓子が特産で、和国には沢山の有名和菓子があるんだが…チョコレートの店舗っていうのが全くなくってね。それでも和国の人達はバレンタインの行事を大切にしていて、この時期チョコレート菓子はとっても人気があるんだよ。で、バレンタインの時だけ大きなドームの中に各国の有名店が競い合うようにブースを出して大量に売りさばくんだ。だから忍もよく駆り出されるんだけど、今回は昨年出向いた木の葉の忍がよく働いてくれたとかで、依頼主がたいそう気に入ってくれてね。今年も木の葉にお声がかかったんだ。ね、そうですよね?カカシ先輩!?」


ヤマトが丁寧に説明する中、皆の眼の前に大きなドームのイベント会場が出現する。
ドームを前にして、カカシがやっと口を開いた。


「ま、そーゆーこと。ヤマトが説明してくれたから、もう俺から言う必要ないデショ?さて、これからが大変だ。今回は人気パティシエ…ピエール・マロマロさんの店舗だからね、皆…心してかかること。そしてこのドームが現場だよ」


「キャーッ!あのピエール・マロマロさんのお店で任務なんて…夢みた~~~い!私、嬉しくって昨日の夜一睡もできなかったの~~!」


「サ…サクラちゃん、すっごいテンションだってば……」


「すごいですね、ああも興奮すると…ブスに拍車がかかりますね」


冷静なサイの呟きをサクラが聞き逃すはずもなく、見事な鉄拳がサイの腹を直撃したのだった。


































「ホントに…心してかかることって言ったばかりなのに、お前達は…」

カカシに説教を食らう中、サイは殴られた腹を未だに痛そうに擦り、そんなサイをナルトが労わりの眼差しで見つめていた。
サイの腹に見事な青痣を作ってしまったサクラは項垂れて、先ほどのテンションはいったいどこへ…。すっかり落ち込み気味。
ドームに入るとそこはもうガヤガヤと賑わいを見せ、関係者達が我先にと準備に励んでいるところだった。

「まぁまぁ先輩。小言はその辺にして、もういいんじゃないですか?もう、ピエールさんの店舗ですよ。店前の通路で待っててよかったんですかね?」

大きなドームの中に、幾つもの店舗が軒を連ねていた。
宛らお菓子専門の商店街が幾筋も並んだかのような状態で、その中でもピエールの店舗は一等地であろうベストな場所に出店していた。
有名どころのチョコ菓子店が居並ぶその一角は、通路も幅があり、大量の人の往来を予測した形になっている。
ブースは小さいながらも店舗そのものの造りで、雰囲気のある屋根まで設えてあり、入口はガラスの自動ドア。期間限定の店舗とは思えない凝った作りに、菓子店達の力の入れようが見てとれた。勿論簡易の作りで急場を凌ぐような店舗だって幾つもある。ピエールの店が如何に高級で有名なのかは、そのブースの様相からも十分に想像がつくものだった。
透明な扉の向こう、大きな仕草で手招きする人がいる。
おそらく依頼者であろうと、皆は気を引き締めて店内へと足を進めた。


「オーッ!コノハノシノビサンデッスネー!!ワタシ、イライヌシノ、ピエール・マロマロデッス!ヨッロシクオッネガイシマ――スッ!」


そこにはものすごくハイテンションで、およそ菓子職人とは思えない派手な男がいた。
身長は高く、カカシと同じくらいの身長。しかしヒョロリと細長い。
髪は金髪というより、原色系の黄色。髪の毛はパーマでもかかっているのかクリンクリンと巻いている。
目はグリグリのどんぐり眼。キラキラと表現するよりは、ギラギラ光ったするどい眼光。
鼻は不自然なほど高く、痩せているので、どこも骨ばって見えるほど。
色は白いのだが、ナルトの色白よりも室内に篭りっきりのような不健康な白さであった。
しかし、とにかく手振りが大きく、声がデカい。
五人が五人とも、そのキャラクターの濃さに息を飲んでいた。

(これが当代売れっ子のパティシエとは……)

サクラとナルトは軽く目を合わせ、おそらく同じようなことをどちらも考えていた。

「はい、こちらこそよろしくお願いします。私がこの班をまとめますカカシと申します。補佐がこちらのヤマトです。紅一点のサクラに、こちらの金髪がナルト、黒髪がサイです」

「「「よろしくお願いします(ってばよ)」」」

「ハーイ!コチラコソデース。ミナサンビジンサンバカリデ、ワタシラッキーデース。チョコハモチロンダイジデスガ………スタッフノカオモ、トーッテモジュウヨウネ!!!」

挨拶もそこそこに、ピエールは激しいテンションで喋り始める。

「カカシサーン、サッソクデスガ、ソウダンアリマース。ジツハ、スグナナメムカイニ……ワタシノエイエンノライバル、『ムッシュ・ゴダバ』ノオミセアリマス。ワタシ……アソコニハゼッタイマケタクナイネ~。キョネンハ、コノハノシノビサンタチノオカゲデ、ハジメテウリアゲヌキマシタ!コトシハモット、サ、ヒラケタイネ~~」

「はぁ、なるほど」

確かに、はすかい向かいの位置にいかにもお洒落なブースがある。
どうやらそこがムッシュ・ゴダバの店のようだ。
人気店だけに、サクラも大きく頷いている。
女性には、ピエールと同様、憧れのお店らしい。

「ピエールさん、それで今年もうちに依頼したんだってば?」

「ソウデース!コノハノシノビサン、ヨクキガツクシ、ヨクハタライテクレマス。スバラシイッ!」

「…で、相談とは?」

「ハイ。コレカラサイシュウウチアワセノマエニ………アイテノデカタ、シットキタイネ」

ピエールは初めて小声で声をひそめた。
ヒソヒソとカカシに耳打ちすると、カカシは了解しましたとばかりに頷き、今度はサイに声をかける。

「サイ、忍法鳥獣戯画であの店の様子探ってくれる?」

「はい」

速やかな返事のあと、取り出される墨と筆、いつもの巻物にさらさらと何やら筆を走らせれば、一匹の黒いネズミが紙面から飛び出す。

「オー!ノー!ネズミッ!!」

「ああ、大丈夫だってピエールさん、あれホンモノのネズミじゃないってばよ」

流石は料理人。ネズミに対し血相を変え拒否反応を示すピエールに、ナルトがすかさずフォローを入れる。
ネズミは素早く店外に走り出すと、あっという間にゴダバの店内に入り込み、またすぐにサイの元へと戻ってくる。
サイの肩先まで走りあがり、ピゲを揺らして何かを耳打ちすると、サイは指を一度打ち鳴らす。それを合図に黒いネズミは、黒い煙となって瞬時にかき消えた。
サイは再び筆をとり、今度は図式をサラリと書くと、文字を書き足し説明を加える。
書き終えた紙を一度カカシに見せた後、カカシはピエールにその紙を手渡した。
ピエールは真剣な顔でそれに見入る。
そして突如、一帯に響き渡るような声で雄たけびを上げた。

「ノ―――ッ!」

「いったいどうしました?ピエールさん??」

サクラが心配そうに尋ねると、ピエールのただでさえ白い顔が蒼白になる。

「これは……カカシ先輩?」

「ん…、向こうさんのスタッフ、人員の位置配置なんだけどね~。どうやら何かあったらしいね」

「イケマセン………ヤラレマシタ……」

「何がやられたってば?」

「スタッフがこっちより多いんです」

サイが仕入れた情報を、皆にわかりやすく説明する。
どうやら、ピエールは事前の調査で、ゴダバのスタッフと同等に人員を用意したらしいのだが、直前になりゴダバ側が変更を加えてきたらしいのだ。

「女の子の御試食係を一人増やしています」

ピエールは落ち込みながらも、事前の計画を、サイの話に追加するように説明し始めた。
当初、ゴダバと同じ陣形でスタッフを組んでいたのだが、その通りでいけば……。
まず、店外のお客様誘導係に二人。店内でのお客様整理係に一人。カウンターに女子の売り子三人。カウンター奥、包装・梱包・箱詰め係に二人。というものだった。




















すいません…。ピエールさんのキャラを意識するあまり…
非常に読みにくい、オールカタカナ言葉になってしまいました…。
片言っぽくしたかったのですが、やりすぎ感が否めません。ごめんなさい読みづらくって…

【2】ちょっぴりでしたが、やっとこ続き部分を…(^^;
最近肩こりが酷くて、パソコンに向かいにくいのです。
すぐ頭痛するもんで;;;
















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