★一部カカ→ナル。イヴのサンタカカシです。(blog記載格納)≪2≫に続きます。
2010Xmas≪1≫ ☆メリークリスマス☆
カラカラカラ…
いつも通り、安っぽい音を立てて、鍵など滅多にかけられることのない窓は開かれた。揺れるのは銀の髪でなく、赤い帽子の先、白い房。サンタの衣装を上下フル装備したカカシは、巨大な白い袋を肩から背に担いでいた。
「よっこいしょ…」
カカシはヒョイと、その窓枠を飛び越える。
肩に担がれた大きな白い袋が引っかからないように、と、細心の注意は払われていたが、ベッドに置かれた時は、ドサリと音が立つほど、その白い袋の中身には量(かさ)があった。
(あっ、マズッ……)
無事に部屋へと侵入を果たしたカカシは、ベッドで既に就寝している部屋の主、ナルトの様子を見やる。
ナルトは、寝具の僅かな揺れなど気にもせず、心地よさげに眠っていた。
(あ~らまぁ、よく眠っちゃって♪)
ナイトキャップは微妙にズれていたが、掛け布団を両手で握りこむようにして、安心しきったように眠っている。
(か~わいいけどさ、もうちょっと忍らしくあって欲しいもんだよね…先生としては…さ)
カカシは心の中で呟いた。そして、眠りが深い内にと、早々に袋の中のものを取り出しにかかる。
今日はクリスマスイヴ。里も賑やかに彩られ、どこも室内は華やかな装飾で飾られているのだが…。
この子の部屋はいつものとおり、何も変わらず殺風景なままだった。
家族というものを持たないこの里の忌み子が、まともなクリスマスを迎えるはずもなく、孤独な夜を毎年のように過ごすのが定番であったのだが…。
今年は……。
(ま、俺が先生になったわけだし、これくらいいいよね~)
(それにしても、クリスマスのクの字もない部屋だねぇ~。枕元には勿論、靴下も無しか…。ま、プレゼント。靴下に入る様な大きさじゃないけど☆)
そう声もなく呟くと、カカシは取り出した大小の箱をベッド脇へと積み上げる。
(え~~と、まずは『簡単にできちゃう料理本の二冊セット』に。食の国から取り寄せた『本格中華そば5食詰め』デショ。『高性能小型医療パック』と……『カカシ特選トランクス3枚組』♪それから……俺が部屋にお邪魔した時に出して貰う『コーヒー豆』……あとは…、あ、これ結構重いな…『ガーデニンググローブ付きガーデニングセット』に。………冬に温かいナルトカラーの『マフラー&手袋』はこっちに乗せて……『冬野菜のバスケットとミカン』はテーブルに置いときますか!)
次から次に袋から取り出された華やかなラッピングが、ベッド横にセッティングされるとカカシは漸く一息ついた。
そして、ああ、これも。と真っ赤な上着のポケットから、ナルトの足サイズであろう靴下を取り出し、ベッドヘッドに引っかける。
赤い上下を着こんだカカシの、今夜の仕事はこれで終わりだ。
ヘロリと草臥れた白い布地を肩に引っかけ、カカシはナルトの部屋を後にした。
明日の朝、ナルトがあの荷物を見た時に浮かべる表情を想像しながら部屋へと急ぐ。
こんな格好を誰にも見られたくない。そう急いでいる時に限って誰かに会うもので……。
「おっ!何だー??サンタかと思やぁ、カカシじゃねーか!!」
「ッゲ!アスマ!!」
「今までサンタコスでクリスマスパーティーか?いーねー楽しそうで♪」
「ちがーうよ。サンタのお仕事してました…」
「はぁ?お仕事だぁ?……にしても、サンタ衣装に口布たぁ……ひでー組み合わせだな;白い髭でも付けてりゃあ少しはマシに……いや、余計異様か……」
「五月蠅いよ、ほっとけ」
「よう。仕事終わったんなら、今から一杯どうよ?」
「オマエ飲み会は……」
「おう、終わった。それの帰り道☆」
「なら、強制的に飲み決定ってこと?」
「サンタの仕事の話を肴に、もっかい飲み直しだ!」
カカシはハァ~と大きく溜息をついた。
吐き出された溜息は、冬の夜気に白く燻る様にして、消えた。
アスマの指先から立ち上る紫煙もまた、カカシの呼気に重なり、薄くけぶって消えていった。
男二人のクリスマスは、まだまだこれからのようだ。背の高いサンタと熊さんは、ゆっくり路地へと足を向けるのだった―――。
2010Xmas≪1≫ ☆メリークリスマス☆
カラカラカラ…
いつも通り、安っぽい音を立てて、鍵など滅多にかけられることのない窓は開かれた。揺れるのは銀の髪でなく、赤い帽子の先、白い房。サンタの衣装を上下フル装備したカカシは、巨大な白い袋を肩から背に担いでいた。
「よっこいしょ…」
カカシはヒョイと、その窓枠を飛び越える。
肩に担がれた大きな白い袋が引っかからないように、と、細心の注意は払われていたが、ベッドに置かれた時は、ドサリと音が立つほど、その白い袋の中身には量(かさ)があった。
(あっ、マズッ……)
無事に部屋へと侵入を果たしたカカシは、ベッドで既に就寝している部屋の主、ナルトの様子を見やる。
ナルトは、寝具の僅かな揺れなど気にもせず、心地よさげに眠っていた。
(あ~らまぁ、よく眠っちゃって♪)
ナイトキャップは微妙にズれていたが、掛け布団を両手で握りこむようにして、安心しきったように眠っている。
(か~わいいけどさ、もうちょっと忍らしくあって欲しいもんだよね…先生としては…さ)
カカシは心の中で呟いた。そして、眠りが深い内にと、早々に袋の中のものを取り出しにかかる。
今日はクリスマスイヴ。里も賑やかに彩られ、どこも室内は華やかな装飾で飾られているのだが…。
この子の部屋はいつものとおり、何も変わらず殺風景なままだった。
家族というものを持たないこの里の忌み子が、まともなクリスマスを迎えるはずもなく、孤独な夜を毎年のように過ごすのが定番であったのだが…。
今年は……。
(ま、俺が先生になったわけだし、これくらいいいよね~)
(それにしても、クリスマスのクの字もない部屋だねぇ~。枕元には勿論、靴下も無しか…。ま、プレゼント。靴下に入る様な大きさじゃないけど☆)
そう声もなく呟くと、カカシは取り出した大小の箱をベッド脇へと積み上げる。
(え~~と、まずは『簡単にできちゃう料理本の二冊セット』に。食の国から取り寄せた『本格中華そば5食詰め』デショ。『高性能小型医療パック』と……『カカシ特選トランクス3枚組』♪それから……俺が部屋にお邪魔した時に出して貰う『コーヒー豆』……あとは…、あ、これ結構重いな…『ガーデニンググローブ付きガーデニングセット』に。………冬に温かいナルトカラーの『マフラー&手袋』はこっちに乗せて……『冬野菜のバスケットとミカン』はテーブルに置いときますか!)
次から次に袋から取り出された華やかなラッピングが、ベッド横にセッティングされるとカカシは漸く一息ついた。
そして、ああ、これも。と真っ赤な上着のポケットから、ナルトの足サイズであろう靴下を取り出し、ベッドヘッドに引っかける。
赤い上下を着こんだカカシの、今夜の仕事はこれで終わりだ。
ヘロリと草臥れた白い布地を肩に引っかけ、カカシはナルトの部屋を後にした。
明日の朝、ナルトがあの荷物を見た時に浮かべる表情を想像しながら部屋へと急ぐ。
こんな格好を誰にも見られたくない。そう急いでいる時に限って誰かに会うもので……。
「おっ!何だー??サンタかと思やぁ、カカシじゃねーか!!」
「ッゲ!アスマ!!」
「今までサンタコスでクリスマスパーティーか?いーねー楽しそうで♪」
「ちがーうよ。サンタのお仕事してました…」
「はぁ?お仕事だぁ?……にしても、サンタ衣装に口布たぁ……ひでー組み合わせだな;白い髭でも付けてりゃあ少しはマシに……いや、余計異様か……」
「五月蠅いよ、ほっとけ」
「よう。仕事終わったんなら、今から一杯どうよ?」
「オマエ飲み会は……」
「おう、終わった。それの帰り道☆」
「なら、強制的に飲み決定ってこと?」
「サンタの仕事の話を肴に、もっかい飲み直しだ!」
カカシはハァ~と大きく溜息をついた。
吐き出された溜息は、冬の夜気に白く燻る様にして、消えた。
アスマの指先から立ち上る紫煙もまた、カカシの呼気に重なり、薄くけぶって消えていった。
男二人のクリスマスは、まだまだこれからのようだ。背の高いサンタと熊さんは、ゆっくり路地へと足を向けるのだった―――。
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ぽちり☆
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パスワードは難しいものではありません。カカナルに愛をお持ちの方であれば、非常に簡単です。二人の誕生日4桁を半角英字xで繋ぐ9文字です。
入力は半角英数のみ。(カカシ×ナルトってことです☆)
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